苦手意識があると勉強をやろうとしても最初はなかなか始められないですよね。始まったとしても、単語が頭に入ってこなかったり、思うように計算がスムーズに解けなかったりすると気持ちが重たくなってきます。そして、だんだんやる気が落ちて、、、鉛筆を置いて、、、ノートをパタリと閉める、、、ということになります。
私もそうでした。
「さあ、やるぞ!」と開始したのも束の間、、、「あ、だめだ、、、全然頭に入ってこない、、、(バタッ←倒れた音)」なんてことが数えきれないほど何回もありました。
でもよく考えてみて下さい。
ずーっと苦手意識の沼の中にどっぷり浸かって苦手意識から逃げ続けてきたあなた自身を「勉強の入口」までやっと引っ張ってきたんです!これはとんでもない変化です!大変だったでしょう。時間がかかったでしょう。この「勉強の入り口に引っ張ってくる」という最初の作業が一番、労力と時間がかかるのです。
つまり、一番大変な関門をあなたはすでに突破しているのです。後は今日の課題ととにかくやるだけです!後もうちょっとのところまで来ているのです。
ここで足を止めるなんて、めっちゃめっちゃもったいないっ!!!
今日はそんな「後は走り切るだけ」だけど「やる気が出ない」、そんな時に効き目のある対処法を3つお伝えしたいと思います。
最初にお伝えしちゃうと具体的には以下の4つの方法です。
- 体を動かしながら作業する:アドレナリン分泌と声の効果
- 少ない単純作業を設定する:3・3システム
- 誰かがいる場所に移動する:環境作りはサバイバル力を鍛える
これらの中であなたにフィットするものが見つかれば、やっと進み出した自分の背中をもう一押しして、その日の課題を最後まで終わらることができます。
それができれば、「自分は自分の決めたことをちゃんとやれたぞ。」という成功体験を得ることができます。そーすると「自分はやればできる」という自信がつき始めます。
あとは、一日一日を「今日はできたぞ」→「今日もできたぞ」→「あれ、続けて実行できている」→「自分ってやればできるやん。」、、、と毎日の成功体験を積み重ねていくだけです。自分で自分を動かし、壁を乗り越えた体験が貴方にもたらす影響は単に「勉強が分かるようになった」ということだけではないのです。
自分が右も左も分からない新しい世界に踏み出した時、不安で不安でどうしようもないような人生の局面で「あの時、自分は自分を奮い立たせて困難を乗り越えた。だから、この未知の世界も進んでいけるはず」という暗闇の中であなたを支える灯火になるのです。
最初の1日目が一番しんどいのです。1度、「決めたことを最後までできた」という経験ができれば、次からばコツが分かってきてどんどん楽に実行できるようになっていきます。
今まで沼の中にどっぷり浸かっていた自分を引きずり出して、勉強の入口まで連れて行った自分を思いっきり褒めてあげてください。そして、すぐに「ダメだ〜(泣)」と座り込もうとする自分を励ましつつ、騙しつつ、とにかく、最初のゴールをという最難関を一緒に突破しましょう!
体を動かしながら作業する:アドレナリン分泌と声の効果
やる気がダウンした時に座っていると、そのまま床にゴロっと寝転んでしまいたくなったことはないですか? ひとのやる気というものは姿勢にも現れるのです。 弱気になったり、負けそうになたり、鬱屈した時、人間の姿勢は背筋が曲がり、ダラっとなります。
「元気ハツラツ、やる気満々で前のめり」のひとの姿勢はシャキッとしています。
気持ちは姿勢や体の状態、ひいては健康にまで影響を及ぼします。
そして、姿勢や体の状態もまた、気持ちに影響を与えるのです。これはたくさんの研究結果から明らかにされています。
例えば、今流行りの「マインドフルネス」や「ヨガ」といったものも、心と体の関係性を利用して心身ともに健康になろうとする方法ですね。
、、、さて、「姿勢を正せばやる気もアップするよ!」と言われても困ってしまうのが私達です。笑
だって、姿勢を正す気力が湧いてこないんですもんね。
そんなあなたにおすすめの方法が「暗記は歩きながら」・「計算は立って解く」です。
座っている状態はゴロンと横になれる床までの距離が非常に近いのです。体がふにゃふにゃになれば更に床までの距離が縮まります。そんな誘惑と戦うためのHPがあなたに残されていますか?? いや、絶対に皆無でしょう。
なら、もういっそ立ちましょう!立って作業をするのです。
それでも集中できない時はスクワットや足上げをしながら問題を解きましょう。
これには2つの効果があります。1つめは「絶対に自分は寝転がらないぞ!」と自分の体に筋肉を通して伝えることができます。そして、座っているよりも立っている方が筋肉を使いますから、そうすると筋肉からアドレナリンが分泌されます。アドレナリンのは気分を高揚させてくれるのでぐにゃぐにゃになっていた気持ちが上を向くのを助けてくれます。これが2つ目の効果です。 そして、声を出して作業するとさらに効果的です。声に出せば、声に出す時の脳の活動と、耳から入ってくる自分の声を認識するための脳の活動という2回、同じ内容について脳を働かせることになります。つまり、2回分の脳の活動によって記憶の定着が促進されます。そして、何より目が覚めますよね。
それにも飽きたら外へ行きましょう。向かう先は人があまりいない道路脇の歩道や河川敷などがおすすめです。歩きながら声に出して、ぶつぶつ言いながら頭に入れる内容を反復します。 ある程度繰り返したら、覚えているかを確認していきましょう。
こんなことを繰り返しているうちに、今日やるべき時間は過ぎて終わっているはずです。あなたには「ここまでして自分は自分のルールをやり通したぞ!」という自負の気持ちが生まれているはずです。
少ない単純作業を設定する:3・3システム
やる気が出ない原因に以下のようなものがあります。
- 目標が高すぎる
- やることリストが多すぎる
- 考えることが多すぎる
これは私もしょっちゅうやってしまう目標設定ですが、苦手意識が大きい時期にこれらのような状況を作ってしますと即死します。ですのでおすすめは「考えなくて良い単純作業にする」です。
例えば、「来週のテストのために100個の英単語を覚える」という宿題があった場合、「、、、う〜ん、いや、、、、無理。」ってなりませんか? 私は脱落する自信しかありません。笑
こんな時、「単純な作業化設定」を行うと次のようになります。
- 今日は覚えようとするのは10個だけ
- 読み方と意味を5回声に出して確認する
- 英単語を隠して意味を言えるか問いかけを5回 *パッと出て来ない場合はすぐに答えをみる
- 日本語を隠して英単語を言えるか問いかけを5回 *パッと出て来ない場合はすぐに答えをみる
とにかく、これだけを一通りやれば覚えていなくても今日は終わりです。
次の日は、新しい10単語に対して同じ作業を行なってから、今日やった10単語も同じ作業を行います。全部で20単語です。 「2倍に増えたから大変じゃんっ!」って思いましたか?
でも実はそうでもないんです。実際にやってみると、一回すでにやっている英単語は覚える作業がとても楽になっていることが分かるはずです。そう、一度覚えたものは例え忘れたとしても短時間で思い出して、再度覚える作業もとても楽にできるんです。(*ただし、忘れた後、出来るだけ早く覚え直した場合です。ここがミソです。)
そして3日目、新しい10単語を増やして同じ作業を行なって、昨日やった10単語と一昨日やった英単語も同じ作業を行います。全部で30単語です。3日目になれば最初の日の単語はほとんど覚えてしまっているはずです。
4日目は新しい英単語10個と2日目、3日目の英単語に対して同じ作業を行います。つまり、初日の10単語は卒業です。こうやって3日分づつずらして覚えていきます。
この方法は小河勝氏が考えた「3・3システム」という方法で、「人の忘却曲線」という昔の研究報告に則っています。「人の忘却曲線」の研究は記憶が定着するまでに3回繰り返すと忘れにくくなるという研究です。「人の忘却曲線」の研究と「3・3システム」にに関しては別の機会にもっと詳しく説明したいと思います。
今回、お伝えしたかったのは「作業を少なく単純化することで心理的な抵抗感を下げることが大事」ということと、そのために便利な「3・3システム」という方法があるよということでした。
焦って「あれもこれもやらなきゃ!!!」と問題を大きく捉えてしまうと最初の一歩を踏み出すことが億劫になってしまいます。最も大事なことは少しでいいからとにかく出来るだけ早く始めることなのです。 「少量でもいいから出来るだけ早く始める」これができたあなたは最高に素晴らしいのです!!
誰かがいる場所でする:サバイバル力を鍛える
「やる気が出ない時の対処法」の別の手が「誰かのいる場所でやる」です。
この場合の「誰か」とは「話しかけてこない相手」が最高です。例えば「料理をしているお母さんがいるダイニング」とか「おじいちゃんがいるリビング」とかです。
誰かがいると無意識に空気が少しだけ「ピンっ」と張り詰めます。だからダラダラ寝転ぼうとか、お菓子を食べようとか思いにくいですよね。
但し、事前に勉強のためにその場にいることを伝えておき、以下のようなルールを設定して家族の協力を仰いでおきましょう!
- TVはつけない
- 話しかけない(褒めたりするのも不要)
- お菓子をそっと置かない(勉強が終わってからお願いします)
- 兄弟姉妹の邪魔が入りそうな時にはガードをお願いします。
そうしないと知らずにTVをつけてしまったり、「勉強を頑張っているんだからご褒美をあげよう」となって折角、集中し始めた空気が打ち切りになってします可能性大です。
また、お家でこのような環境を作るのが難しい場合は図書館や学校の先生に協力して貰うのも手です。放課後の保健室とか教室を自習スペースとして使わせてくれる先生方もいらっしゃるかもしれません。 最初、言い出す時はちょっと勇気がいるかもしれませんが、「勉強したいから協力して欲しい」という生徒を煩わしく思う先生がいるでしょうか?間違いなく嬉しいはずです。
そして、同じような思いを持つ同級生がいるかもしれません。
そしてそんな輪が広がっていったらどーでしょう? 「自分だけの問題だったものを他の人と共有して、みんなの問題としてみんなで乗り越えていく」、、、これって大人がやっているビジネスや社会活動でも十分活かしていける力なんです。 これこそが生きる力の一つなんです。こんな経験が中学生の段階でできたとしたら、間違いなく人生における最強ツールを手に入れたと言っても過言ではないと思います。
「自分のニーズや思いを声に出して誰かに協力してもらう」・「同じような仲間と協力していく」これは、まさに今、社会での資金集めの主軸になりつつある「クラウドファンディング」などにも共通する考え方です。このような行動力は今後ますます必要になってくることは間違いありません。
勉強のためだけでなく、そんな将来性にも目を向けつつ、「周りを巻き込む力・助けてもらう力」を育てながら自分のサポーターを増やしていけたら最高ですね!
まとめ
今日は「勉強しようと思ったけど気持ちが乗らない、、、」という時の対処法について3つお話ししてきました。
1つ目は「体を動かしながら作業する」こと。眠くなるなら、体がぐにゃぐにゃしちゃうなら、いっそ立って作業をしましょう!なんなら筋トレしながらもありっ!そうすることで目が覚めるし、アドレナリン分泌でテンションは上がってくる。さらに声に出すことはめっちゃお勧め、なぜなら脳が2回動くから!ってことでした。
2つ目は「少ない単純作業を設定する」でした。やることが多すぎるとオエっとなるのは誰しも当たり前。まずはハードルを下げてとにかく始めることを最優先にしましょう。毎日の作業なら「3・3システム」がお勧めだよ!忘れてもその直後に覚え直すと、より記憶に定着するよ!!といいことでした。
3つ目は「誰かがいる場所に移動する」でしたね。大事なのは「話しかけない誰か」がいる場所。おすすめは「料理中のお母さんがいるダイニング」や「おじいちゃんがいるリビング」、「図書館」などがありました。加えて、お家の方や先生に「勉強するために話しかけない環境を作って欲しい」とお願いすることは「自分のニーズを社会全体のニーズに換えてみんなで解決する巻き込み力=生きる力」を鍛えるよ!!ということでした。
「学校の勉強はテストで良い点数を取って良い大学に入るためにする」と思われがちですが、実は目的はそれだけではないと私は思っています。
皆さんは社会に出たら予想外の危機に直面します。誰も乗り越え方を知らない未知の難関です。そこで生き延びるには体力や知恵やスキルが必要です。裸で立ち向かうわけにはいきません。かといって、「答えそのもの」を用意することは誰にもできないのです。大人ができるサポートはサバイバル力をつける手伝いだけです。
つまり、学校の勉強とは未来に訪れる困難を模したハードルと言えます。(*練習のため答えが用意されています) どー乗り越えるかを考え、試行錯誤することがサバイバル訓練になるのです。
自分を知り、周りを知り、どこをどう伸ばせば良いか、どこから攻め込めばよいか、周りの環境をどー使えるか?など攻略方法は色々考えられると思います。 もちろん、「攻略しない」も一つの答えだし、その結果どーするのか?という別のステージの攻略に挑むことになります。
目の前の英単語だけ見るのではなく、社会という荒れ狂う大海原に向かって今まさに進んでいる自分を感じてください。
社会に出たらリスクもたくさんですが、今よりもずっと自由です。自分という船の操作方法さえ分かっていれば自由と無限の可能性が広がっている最高の世界が皆さんを待っています。 英単語ごときでヘニョヘニョ言ってる場合ではありませんよ。 ワクワクが止まりませんね!
では、またっ!! ほないこかでした。